水道CADで図面作成をする前に水理計算を行っておく必要がある!
水理計算の目的は、その装置が必要な要件を満たしているかどうかを確認することにあります。これがわかっていないと水道CADを利用したとしても、図面の作成ができません。まずは水理計算が必要です。
水理計算の目的
そもそも水理計算とはどのようなものなのでしょうか。例として、台風などで川の水が激しく流れている様子をイメージしてください。
水の速度が早いということは、それだけ大きな音が出ることが想像できると思います。さらに水圧も高くなるので、いろんな箇所が故障することが考えられます。
給水装置を設計する際には、ただ水が給水できることが求められるわけではありません。安全かつ周囲に悪影響を及ぼさないように給水できる必要があります。その際に必要となるのが、水理計算なのです。
給水装置の流速
給水装置の流速は、一般的に2.0m/秒を超えないようにしなければいけないと定められています。それを確認するために、実際に水を流して流速を測定するという方法は使えません。そのため水理計算を行い、理論上の流速を確認します。もし流速が早すぎる場合は、設計を見直さなくてはいけません。
その給水装置が法律の基準を満たす性能となっているかどうかを知るために、水理計算は存在しています。場合によっては、水道局が水理計算書の提出を求めてくるケースがあります。水道局は、水理計算書によって計画使用水量に対する管口径が適正かどうかなどを確認しています。
計画使用水量
まず計画使用水量についてですが、これは給水装置で使用される水量のことです。給水装置は水を送るための装置なので、設計する際にはどれくらい水を送ることができるかを考慮します。それがわからないと、給水装置の大きさや管口径などを決めることはできません。そして水理計算書には、計画使用水量に基づいて給水装置の大きさを決定していることが記載されており、それが本当に正しいかどうかを水道局は計算しています。
ほかにも、先ほど説明した流速についても水理計算書で確認を行っています。さらに、実際に図面設計をしたときに問題なく水が出るかも、計算上で明らかになっていなければいけません。普通に設計をすれば水は問題なく出ると思いがちですが、計算ミスがあると水が出ないというケースもあるのです。最悪の場合は、給水装置を作り直さなくてはいけないかもしれません。
このように、給水装置を製作する際には考えなくてはいけないポイントが数多くあります。給水装置を製作するのは簡単ではありません。一度作ってみて、上手くいかなかったらもう一度作り直すというのはできないのです。だからこそ水理計算を行って、本当に図面通りの給水装置を作れば要求事項が満たせるのか、法律に反していないかを確認しなければいけません。
この水理計算はいろんな要素を考慮して行う必要があります。例えば、高いところから水が落ちてくる際にそれによって失われる力があったり、管との摩擦の影響があったりします。それらを全て考慮したうえで、給水装置の設計を行わなくてはいけません。給水装置の図面を作成するうえで、水理計算は欠かせないものだと考えてください。
水理計算を行う理由
水理計算は給水装置の仕様を決めるうえで欠かせない
水理計算を行う理由は、給水装置の仕様を決めることにあります。給水装置には求められる要素がたくさんあります。給水できる量や装置自体の大きさなど、求められる要素を実現できるように設計します。
そのために、どのような形状にすれば法律に準じつつ必要な要件を満たすことができるかを考えなくてはいけないのです。
そのために必要になるのが、水理計算です。給水装置を設計するのであれば、水理計算は欠かせません。水道業に携わっていくうえでも、水理計算について理解しておくことは大切です。
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